清水 清ガバナー公式訪問を振り返る
2003年9月3日(水)水海道RCに清水清ガバナーが公式訪問されました。
午前中の現況報告書に基づき、懇切丁寧なご指導から始まり、例会にて
卓話、休憩を挟んで午後からはクラブ協議会にてご指導を賜りました。
終了後は懇親会にもご出席いただき、大変有意義な一日になりました。

          清水 清ガバナー卓話「クラブ公式訪問に寄せて」
 皆さん、こんにちは。ガバナーの清水でございます。本日はクラブ公式訪問で皆様に親しく語り合うことが出来ますことを楽しみにしております。7月に片岡直前ガバナーの後を受けて、ガバナーに就任いたしました。本日のクラブ公式訪問で、やっと16クラブになりました。
 本日は、ガバナーの果たさなければならない責務として、国際ロータリー会長の示されたテーマについて皆様にお伝えし、卓話とさせていただきます。
 本年1月25日から2月10日の間、アナハイムにて開催されました国際協議会に出席してまいりました。この会議は、ガバナーエレクトがガバナーになるため必ず出席しなければならない義務となっております。
一日中、時間に追われる大変厳しいスケジュールとの戦いでありましたが、無事果たし、帰国することが出来ました。この会議において、初めてジョナサン マジィアベRI会長に会うことが出来ました。会長はアフリカのご出身であり、初めてアフリカから出られたRI会長であります。大変、心の穏やかなお人柄で、しかも、ロータリーに対し誠に厚い情熱をお持ちの方であります。エレベーターの中でご一緒した時も親しく話し合える気さくなRI会長でした。

 国際協議会の席上で、初めて本年度のRIテーマが発表されました。それらは@ロータリー家族への愛A識字率の向上B飢餓・貧困の緩和C保健への対応であります。
 「手を貸そう」は前年度のビチャイRI会長の示されたテーマ「慈愛の種を捲きましょう」と実によく連動した、理解しやすいテーマであります。ジョナサン会長が、これらテーマと目標をなぜ、定められたのか、考えてみました。
幸い私にはジョナサン会長の故郷、ナイジェリアに以前、仕事の関係で在住したことがあり、彼の気持ちが良く理解できるのであります。ナイジェリアばかりでなく、アフリカの国々が持つ悩みには共通したものがあります。
 私が赴任する時に約2ヶ月間、予防接種のための時間が必要でありました。それほど、この地には全ての病気が存在しているのです。それほど全ての病気が存在している国々がアフリカなのです。

 黄熱病、コレラ、マラリア、破傷風、肺結核、塵肺病、ポリオそしてエイズなどなどです。人々はあらゆる病気の博物館と言っても良いほど数え切れない病気に恐怖おののいているのです。保健衛生に対する国の配慮は不十分で、人々が病院にかかるためには高額の費用が必要なので健康保険制度も完備されてはいないのです。
病気の予防を図るよりも患者の対応をどうするかが先ですが、治療以前に死亡する人々が多いのです。また、追い討ちをかけるように、アフリカ全土には迷信を信じる人々と、それを支える祈祷師がいて、医師の診断を受けるより彼らに頼ることが多いのも事実です。彼らの平均寿命は42歳と言われております。特に、女性と子供達の死亡率が高いのが特徴です。また、ナイジェリアにはたくさんの部族が住み、部族間の争いも耐えないため、国の政治も安定しない、そこには飢餓、貧困の悩みに満ちている世界があるのです。

 エリートたちは国民の1%にも満たない国です。特に、郊外に住む国民の大半が得る1日の収入は、日本円に換算して、およそ3円と言う低所得です。それでも、人々の目は輝いているのが不思議です。

 識字の問題にしても、この収入が物語るように国民の80%の人が字を読めないし、書けないのです。そして、特に女性の非識字率が問題で、彼女たちの生む子供たちに字を教えることすら出来ないのが現状です。男たちの多くは出稼ぎに出ていて、家に帰るのは年に一度か二度と言われております。したがって、子供達の教育は母親の仕事ですが、非識字のため、字を教えるすべがないのです。少しでも多くの収入を得るために、高度な職業に就くには教育が必要です。彼らは、ロータリーの手が差し伸べられるのを待っています。

 マジィアベRI会長の気持ちは、彼の国ナイジェリアを救って欲しいと願っておられることでしょうが、世界の開発途上国に存在する、この共通した問題をロータリアンが手を貸して欲しいと願っておられるのです。
私達ロータリアンは手を貸すことが出来ることに、先ず感謝しなければならないと思います。

 最後に、ロータリーの危機についてふれたいと思います。ロータリーには危機を招くことに通じる二つの問題点があると思います。第一点は、会員の減少であります。世界のロータリー会員の減少は、このところ下げとまりの傾向にありますが、日本の場合、まだこの傾向が続いております。2820地区の現状も同じことが言えます。毎年、3桁の会員減少が見られ、対策することが急務となっております。社会に奉仕するプロジェクトが大きくなるほど多くの会員が必要となります。問題点の第二は、ローラリーが生まれた黎明期の思想が薄れつつあるように思われます。これでは単なるボランティアに過ぎないと思います。ロータリーに加入して職業倫理を学び、それを他の人々に伝えていくことが真のロータリーでしょう。

 ロータリーの綱領を一字一字、四つのテストと照らし合わせながら、噛み砕いて理解することが大切であります
この一年、ぜひ、クラブ内でこのことについて語り合っていただきたいと存じます。

午後のクラブ協議会にて
各委員会へ、親切、温かい励まし、ご指導をいただきました。

清水 清ガバナー ありがとうございました。 

  水海道ロータリークラブ会員一同