鈴木邦彦会員卓話:2003年5月21日
 
職業分類:小児科医
鈴木内科小児科医院 院長
 水海道ロータリークラブは、1963年9月25日仮クラブとして発足、創立する。翌年1964年1月28日に国際ロータリークラブに加盟・認証となる。認証状伝達式が1964年5月17日、県立水海道一校、講堂で挙行される。

 初代会長は石塚 峻氏で34名の会員で船出する。34名のチャーターメンバーのうち、現在も活躍されているのは二人で、増田一氏と隅谷祐三氏です。

 小生が入会したのは、昭和51年(1976年)ですから、27年前はチャーターメンバーの15名が例会上に元気に姿を見せていました。感慨無量なものがあります。

 人には寿命があります。人間の寿命を決めているのは、脳細胞です。身体の他の細胞は再生しますが、脳細胞は再生しないので、脳細胞の寿命が人間の寿命ということになります。120歳くらいが人間の寿命の限度と考えられています。

 人間の寿命は風土にも影響されるが、わが国では沖縄に長寿者が多いと言われます。縄文人の平均寿命は14,6歳。室町時代は15,2歳。江戸時代は23,5歳。明治初期は30歳代。昭和22年は50歳を越える。現在は80歳前後まで長生きする。

 寿命は職業によっても違うという統計もあります。宗教家は長命で小説家は平均寿命より短いといわれています。心の管理がよく、規則正しい生活、食べ物に気を配り、腹八分目で酒、タバコを取りすぎず、適度の運動をして頭を使うことが長寿につながるように思われます。

 30歳を過ぎてから、年をとるごとに増える病気は、高血圧、脳血管障害、心臓病、糖尿病、白内障、前立腺肥大、肝臓病、骨粗鬆症などがあり、これらを以前は成人病と言われていましたが、何れもその人の生活習慣によるものが多く、現在は生活習慣病と言われています。成人病、生活習慣病は行政用語で医学用語ではありません。

 生活習慣病にならないということは、健康な生活を送ることであり、そのためにはどうしたら良いか。

 健康教育の研究者プレスロウは、7つの健康習慣として
@朝食を取るA間食をしないB適正な睡眠時間C適正な体重管理D喫煙しないE過度な飲酒はしないF定期的な運動
を挙げています。長生きするだけでなく、健康で長生きしたいと誰もが考えています。

 健康でいることには、親からいただいた体質にもよるが、各自の努力が大きな部分を占めています。健康は空気のようなもので、そのありがたさを日頃は忘れています。体調を崩したり、病気になって初めて健康であることの大切さがわかります。

 同じ年齢でいながら、外見や日常生活の動作、精神面など老化現象の現れ方に極端な差が見られることがあります。年齢が進めば進むほど、暦年齢が同じなのに肉体的、精神的年齢の個人差が大きくなっていきます。どうしてこのような違いが出るのか。

 人の身体には、いろいろな臓器があって、それら臓器が定められた仕事の役割を完全に分担していれば、いつまでの健康でいられるはずです。臓器は、多数の細胞の集合体です。そして細胞は微細な構造から成り、一定の成分からなっている。それらが、何時も一定であれば細胞は正しく働き、したがって臓器も正常に働きます。

 しかし遺伝的要因のほかに生活環境の中にあるいろいろな有害部室や病原体、あるいは精神的ストレスなどで細胞のバランスが崩されることが多い。しかし、人の身体はうまくできていて、崩れたバランスをすぐに元に戻す働きがあります。(恒常性を保つ)
抵当な栄養と適切な運動と、必要なだけの休養がうまく言っていれば、細胞内の恒常性がいつまでも保たれて若々しさが続きます。

 しかし、そのどこかに無理が続くと細胞内の恒常性が保てず、その部分から機能低下が起こり、組織の変化が起きて正常に戻らなくなり、それが組織学的な老化の始まりで、やがて内蔵機能が低下して全身的な老化現象となる。

 ですから、一つ一つの細胞の恒常性を保つことがもっとも大切で、そのためには適切な運動によって新陳代謝を浴して細胞に十分な栄養を補給してやることが大切である。

 大切なのはその人にあった運動をすることです。