大塚令昌会員卓話:1998年10月7日例会 |
職業分類:神道 |
一言主神社 宮司 |
「人生儀礼について」 今回私と同じ神官がガバナーということで、笠間の宮司さんがなられました。話はさておき、神主には卓話といいましても「人生儀礼」くらいしか話す事はございませんので、それについて少しお話させて頂きます。 その前に手前事になりますが、私の神社は水海道の一番はずれにあり、分からない方もおられますので説明させていただきます。 当神社は大同4年(西暦809年)に旧北相馬郡に鎮座いたしました。大国主命のご長男が祭られています。又、当神社のご祭神は奈良にあり、奈良の一言主神社がご本社となっております。 では人生儀礼について簡単に説明いたします。私共日本人は遠い昔から様々な良い伝統を受け継いでおり、人生の節目に行われてきた「人生儀礼」もそのひとつです。 そして、この人生儀礼には大きく10種類15の儀礼があります。 1)着帯の祝い 赤ちゃんが健康で無事生まれるよう、母親が妊娠5ヶ月目の戌の日に腹帯(岩田帯)を着けます。神社で反物(白地1反)を用意します。 2)出産祝い 無事誕生を神様に感謝、赤飯を作りお供えをして祈願します。 3)お七夜祝い 生後七日目までに赤ちゃんの名前を付け、命名書などを神棚に掲げて奉告し、親戚や縁者一同にお披露目します。最近は2週間くらい経ってから名前を付ける親もいます。 4)初宮(お宮参り) 男子は生後31日目に、女子は33日目に、祝い着を着せて神社(氏神様など)に参拝し、成長御加護を祈願します。 5)お喰い始め 生後100日目か120日目に、米飯や鯛などの祝い膳をそろえ、初めて幼児に食事をさせる儀式です。箸始めとも呼びます。男女より日数が違う所もあります。 6)初誕生祝 生後満1年の誕生日を祝います。地方によっては餅をついて幼児に背負わせるなどもします。 7)初節句の祝い 男児は5月5日(端午、菖蒲(尚武)の節句)、女児は3月3日(上巳・桃の節句)に祝う、生後初めての節句です。男児は力強い門出をし、女児は美しく健やかな成育をお祝いします。 8)七・五・三の祝い 11月15日に、三才の男女児、五才の男子、7歳の女児が晴れ着をまとい、親子共々神社に参拝し、恙なく成長出来たことを感謝します。昔から、男女児とも3才で紐落とし、男児は3才から5才で袴着、女児は5才か7才で帯直しをして宮参りをします。 この他、お祝いには9)入学卒業式10)成人の祝11)結婚式12)結婚記念日の祝13)齢祝があります。 ※結婚記念日・・・10年錫婚式、15年銅婚式、25年銀婚式、50年金婚式など。 ※齢祝い・・・61才還暦、70才古希、77才喜寿、80才傘寿、88才米寿、99才白寿など。 次に、厄祓と忌服について説明します。 厄年は一定の年齢に達し、社会的にも重要な役割を担う頃、それと相俟って心身の疲労・病気・災厄が起こりやすく、人生の転換期として注意すべき年回りや生涯の節目として自覚と慎みが必要な時期なのです。 男子は25・42・61の年、女子は19・33・37才をいい、特に男子42才、女子33才は大厄と言われています。※前年を前厄、当年本厄、翌年後厄として3年間を忌み慎む習わしとしている。 忌服は、親族に不幸のあった時、一定期間謹慎し、神前に参ることを慎み、霊祭に専念するのが古来の習わしです。※忌服期間日略 最後に、神社参拝や結婚式等において玉串奉奠が必要になりますので、その作法をお教えし、本日の卓話を終わります。 ・・・・・・この後、玉串奉奠・・・・・・作法を披露 |