北村仁会員:2003年4月2日
職業分類:化学繊維製造  
北村製布(株)
代表取締役

 「米山記念奨学会に思うこと」

 皆さん、こんにちは!当月のガバナー月信に米山記念奨学会についての選考の様子を三上委員長、歓送会について山本委員がレポートを書いておられます。私もガバナーをお引き受けいたし、3年にわたり携わってまいりましたので、少しお話をさせていただきます。

 先ず、米山記念奨学会ですが皆様、既にご承知のこととは思います、習いの気持ちで聞いて頂きたく存じます。

 先ず、米山記念奨学会はロータリーの中では日本独自の奨学会であり、RIは今迄、日本におけるこの活動を認めようとしない、と言うか、触れないようにしてきた感じがありました。

しかし事業の実績には無視できなくなったのか、本年度ビチャイRI会長は静岡を訪れ記念館を見学され、また翁の墓参をされました。ようやく、この存在を認められたような訳であり、日本における関係者の喜びもひとしおとの事でありました。

 米山奨学会と言うのは、米山梅吉氏が作ったのではなく、東京ロータリークラブが米山梅吉氏の功績を記念して作ったものであります。翁が作ったものと勘違いをされておられる方が結構多いので紹介しておきます。

 発足当時の米山記念奨学会は、アジアに対する大戦における謝罪の意味も込めて、貧しいアジアの若人の教育の事に、日本における学生を支援する目的で設立されました。

 当時は、それなりの成果を挙げながら発展し現在に至ったわけですが、時代の変化と共に、この目的も変わってまいりました。
 
 先ず、対象がアジアと言う地域だけでなく、世界へと広がりました。また、貧しい学生を支援するという事も、優秀な、世界で役立つ、等の学生にと変わってまいりました。

 応募される学生の国籍も以前は台湾が圧倒的に多かったのですが、最近は少なくなり中国、韓国の学生が多くなっております。

 経済の変化と共に日本離れが生じ、米国、ヨーロッパの方に希望が向いているものと思われます。日本に対する魅力がなくなってきているのかもしれません。

 私達も外国の若い人から見ても魅力ある日本にしていかねばならないと思います。一方、学生の出身国から見ますと、インド、バングラディシュ、スリランカ等、多彩になってきたことも喜ばしいことと思います。

 選考の方法も変わりました。クラブ推薦から学校推薦となり、クラブ間の問題も無くなりましたが、クラブの関わりが少なくなり、関心の度合いは今ひとつというところです。

 現在、地区では34名の学生をホストしておりますが、最盛期には55名を数えました。地区内の募金の実績と地区内の学校に留学している学生の数によって学生の数が割り当てられるのですが、募金額の減少により現在に至っております。

 クラブが学生を受け入れることにより、クラブの皆様の米山に対する認識が高まり、活動も活発になると思います。1人でも多くの学生を支援できるよう、皆様に力を頂きたいと思っております。