北村仁会員:2001年4月25日例会
インカミング・ガバナー時
職業分類:化学繊維製造  
北村製布(株)
代表取締役

 「国際会議に出席して」

 頭の方はサンアントニオ大会や地区協のことでいっぱいで、アナハイムの方はそろそろ忘却の彼方になりつつあります。皆様のお見送りを受け2月14日に日本を発ち、アメリカのシカゴとアナハイムに行き研修を受けて参りました。

 家内と二人での旅でしたが、病気もせずに帰ってくることができました。一番心配したのは、帰ってから皆さんにどういうふうな報告をしたら良いのか、どんな話をしたら良いかと、言葉は悪いかもしれませんが屠殺場に入るヤギみたいな気持ちでした。(笑)

 成田から真っ直ぐにシカゴに行き、とりあえずポールハリスのお墓参りとエバンストンのRI本部を訪問する、これをやらないと何となくガバナーになった気がしないといわれたことを思いだしながら付いて行きました。

 シカゴは霙(みぞれ)が降っていて大変、風の強い町でした。カナダの方からミシガン湖を渡ってくる風が大変冷たく、眠い目をこすりながらエバンストンの町を見て回りました。

 見学は日本人の職員もいて日本語で説明してくれるので安心して回ることができました。RI本部は10数階のビルで、こんな所にも我々の会費も使われているのか、と言う感じのする建物でした。

 そのうち5フロア位をロータリーが使っており、仕事は小部屋に分かれた中でそれぞれコンピューターに向かって仕事をやっていると言ったものが多かったようです。
 
 着いた時には丁度、RIの理事会開催中でした。話は皆英語で、そして役員の皆さんの前には小さなディスプレーが置かれ、出てくるのは全部英語で賛成の時はそこに付いているボタンを押すのだそうです。それを見て、我々がRIの役員になるのは一寸、無理かなと言った気が致しました。

 とても綺麗な町でして、町並みから言うとアメリカと言うよりヨーロッパの町と言った感じの所でした。大変良い所で、学園都市と言ったところだそうですが、そこにRI本部があるのです。

一応、1階からずっと、どんな仕事をしているのかなと見て回り、RI会長の部屋や事務総長の部屋など覗いたりして一回りしましたが、とにかくその日は寒いのと眠いのとで一日が過ぎてしまったような感じでした。

 その日にポールハリスの墓にも連れて行っていただきました。アメリカの墓地は日本の墓地とは異なり、公演のような、或いはゴルフ場みたいな、とにかく広い土地の中に、ポツリ、ポツリとお墓が置いてあると言った様子でした。

 ポールハリスのお墓もポツンと石が埋められてあるだけ、近年になってロータリーマークを付けた墓石を建てたのだと言っておりましたが、質素で、何処にお墓があるのか分からないと言ったものでした。

 奉賀帳もありましたので見ましたが、それには日本のガバナーの名前だけしか書いてなく、お墓をお参りしてガバナーになったことを実感するのは日本人だけなのかな、と思った次第です。

 アナハイムはロサンゼルスからバスで1時間位の所。ディズニーランドの近くの観覧車が直ぐそばに見えるアナハイムヒルトンという物凄く大きいホテルに入りました。ただ、ホテルの設備はボロで、部屋に冷蔵庫もなければ、お酒の売店もないということで、ただ修行の為に入ったといった感じのものでした。

 各国163カ国、530人のガバナーエレクトが入ったわけですが、集まった人は白人であり、黒人であり、また民族衣装を纏った者でありで、様々でした。中でびっくりしたのは結構、女性のガバナーが多く(ヨーロッパやアメリカに多い)、男性はただ配偶者と言う形で付き添っている姿も見られました。

 アナハイムには17日には行ったのですが、その晩8時から2000人ほど入るようなホールに集められ本会議が行われました。その時、リチャードD・キングRI会長よりテーマ「MANKIND IS OUR BUSINESS…人類が私達の仕事」の説明をされました。

 きつかったのは次の日から朝7時に食事をとり、直ぐ40〜45分のセッションをやり15分ほど休憩、それから次のセッションをする部屋に移動すると言う繰り返し、休憩時は次の部屋探しとセッションの勉強で目一杯、夜の5時頃まで続きます。

 それから夜の食事をとり、また研修と、朝8時から夜8時半頃までやり、遅い時は夜11時頃までやるのです。そうすると風呂に入って寝るのは大体、夜中1時近くになり、男はまだしも、家内の場合色々とやることがあるので朝は遅くとも5時ごろ起床しますから睡眠時間は3時間半〜4時間位となります。

 そんなことを一週間続けられると、大体、人間がおかしくなります。だんだん雑念なるものは取れ、頭の中が真っ白になり、教えられたことのみ頭に入っていくのだそうです。そういう心理的なものを考えながら、やっているのかと思われますが、とにかく詰め込み、詰め込みの毎日でした。
           ・・・・・・中   略・・・・・
 
 帰ってきて2ヶ月がたち、思い出しながら地区の事を色々考え、やっていますが、中々上手く行かない、そんな感じをしております。ロータリーと言うのは地区だけでなく、全世界のことを考えていかねばなりません。

 特にこれからは、教育的分野より人道的分野(例えば地雷の撤去、識字率の向上、或いは飢餓など)に変わりつつあると思います。ガバナーになるには時間と労力とまた、色々なものを費やさねばなりませんが、それに優る有意義な体験であったと思います。