五木田利明会員卓話2000年11月8日
職業分類:口腔外科
藍歯科矯正歯科医院 院長

「好きなこと」

 今日は自分の好きなことについてのお話をさせていただきます。
 皆さんは「趣味と道楽」の違いを考えられたことはあるでしょうか。以前こんな話を聞いたことがあります。

 「趣味」は趣味と実益を兼ねてとの言葉があるように、そのことにより多少なりともお金を産むことがある。それに対し「道楽」とは本職以外のことで楽しみふけることで、消費はあっても、そのことでお金を生み出すことは殆どないというものです。

 間違っているかもしれませんが、成る程と思われます。そうすると私がやっていることはどちらかなと疑問に思います。趣味でもあり道楽でもあるように思われます。

 私のやっていることは何かと言いますと、実は「古いものの収集」です。収集といっても今の私に出来ることはガラクタの収集に過ぎませんが・・・。最近ではテレビなど骨董品についての放送があり、また骨董市も良く開かれます。

 私自身そういう骨董市によく足を運ぶこともあり、手が届く品は買い求める時もあります。そんな中での刀。私よりも詳しい方もおられると思いますが「日本刀」の話をしてみたいと思います。

 刀に関連した言葉から一般的に使われるようになったものに、「折り紙つき」という言葉を聞いたことがあるかと思います。折り紙とは、元来、文書形式の一つを言います。1枚の紙を二つ折りにし、その片面に用件を書いたもので、元々書簡などに使用された様式でした。

 それが、刀の鑑定人である本阿弥家などが折り紙様式の鑑定書を発行するようになってから、折り紙なる語が鑑定書と同様の意味で使用されるようになったとのことです。

 この本阿弥家は、元和2年徳川家康が本阿弥光徳をもって刀剣極所と定め、これにより折紙(鑑定書)を出すことになったのです。

 武器は本来は殺戮の器具でありますが日本の武器の特色は合理的な構造と共にその優美さにあります。日本刀はそれぞれの製作年代の戦闘方法に即した最も合理的な造り込みによる「用の美」とも言うべき無駄のない曲線の持つ「強さ・美しさ」に加えて地鉄の鍛錬による美しさは世界に冠たるものがあり、まさに、くろかねの芸術と言うにふさわしいものがあると思います。

 現在では鉄を素材にした最も美しい芸術の一つとして、日本のみならず世界の人々にも賞賛され愛されているといっても過言ではないといえます。

 また、刀装具として鞘(さや)や鍔(つば)など刀剣拵(こしらえ)といわれるものがありますが、それも美術品として大切に保存されています。

 現存する刀はピンからキリまで、幾多の刀剣受難時代を経て数多くあります。一般的に知られている刀を2〜3、ご紹介してみます。

 先ずは「子連れ狼」で有名になった『同田貫』と呼ばれる刀です。刀としては不細工ですが業物といわれ、切れ味の鋭いものです。加藤清正のお抱え鍛治で、同田貫村に移住し作刀したことから、こう呼ばれます。

 もう一つは『関の孫六』という刀です。美濃の国関と言う所に兼之という刀匠がいて、その2代目が孫六と称しました。これまた大業物といわれ、三島由紀夫の首をはねたのも、この一振りです。もう一つ『村正』です。徳川家にとって崇る刀として嫌われた刀です。

 このように、刀のまつわる話も多々ありますが、次に「体佩(たいはい)」といわれる姿・造り込みをその時代を追って簡単に触れてみます。

<縄文時代>
 銅剣が出現し、以後、鉄剣へと変化します。両刃だったものが、片刃の直刀が造られるようになって来ました。そして片刃が語源となり、なまって「かたな」と呼ばれるようになったといわれます。

<奈良時代>
 平造りの直刀でしたが、次第に暫撃に有効な切刃のある直刀になってきました。

<平安時代>
 騎馬戦が主流になり、そのスピードに対応する為、刀身に反りを持たせるようになりました。そして、切り刃造りから鎬造りに変化をみたのもこの頃だと言われます。

<鎌倉時代>
 平安時代の初期、日本刀の上品な太刀姿から剛健な太刀へと変化。作刀技術に空前の発達を見た時代です。蛤刀や笠木反りといった太刀もでき、短刀も造られました。

<室町時代>
 打ち刀といった腰に差す刀が殆どになりました。長さも短く(2尺少し)片手打ちできる刀が流行しました。

 これまでの時代を古刀の時代と言います。
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※前述の後、新刀の時代(江戸末期まで)新々刀の時代(明治時代)についても、その形状や刀剣類の種類が変化する事のお話しがありましたが紙面の都合上、割愛致しますことを卓話者に陳謝します。
                     週報より転記