常総地方広域市町村圏事務組合消防長
消防正監 鈴木重昭様
 2014.12.24

 わが国の消防が組織的な活動を始めたのは1600年代になって大名火消、あるいは定火消しと言った組織が出来たときからだといわれております。これは城や大名屋敷を守るためのものでありました。1718年(享保3年)に初めて町を守るための組織、町火消し「いろは47組」が生まれました。

 明治5年に消防組となり、明治27年には、消防組の育成を図るため「消防組規則」が制定され、消防組の全国的な統一を図っています。その後、大正、昭和とその時代に応じて組織、制度の変遷がありましたが、戦後、地方制度が大きく改正され、消防についても新たに予防行政等を組み入れた市町村消防が唱えられる等して消防組織法が制定され昭和23年、戦後の新たな消防制度としてスタートとし、現在に至っています。

 常総広域の母体は旧水海道消防本部です。明治27年8月水海道町消防組が設置され時代の変遷をへて、昭和36年2月消防団常備部発足、部員12名でスタートをしました。この時の車両は水槽付き消防ポンプ車1台、連絡車1台。昭和39年4月消防団常備部を廃止し、消防本部(消防署)を設置し消防長以下17名で発足しました。

 そして、昭和41年10月にトヨペット41年式救急車1台を水海道ロータリークラブさんから寄贈されました、救急車において救急業務を開始しております。昭和52年4月1日組合消防本部発足水海道消防署・守谷出張所・谷和原出張所開設同年6月13日から両出張所仮庁舎において業務開始。

 平成18年3が27日つくばみらい市誕生により伊奈町消防本部が編入される。

 明治27年の消防組規定によって全国的に統一した姿で消防組、現在の消防団がスタートをしました、昨年で消防団120年、消防組織制度(昭和23年)自治体消防65周年にあたり記念大会が東京ドームで、天皇皇后両陛下のご臨席の下、内閣総理大臣をはじめ多くの来賓者を迎えまた、全国から3万7千人の消防職団員、消防関係者が参加し盛大に行われました。

 
緊急消防援助隊についてお話をしたいと思います。
 皆さんもいろいろな災害の時ニュースなどで緊急消防援助隊という言葉を耳にすることがあると思います。

 創設は阪神淡路大震災での教訓(「近代消防」という業界紙を読んでおりましたら消防の1代転換点となった大震災と書かれておりました。神戸市消防局は持てる人員と機材を総動員して、懸命の消化、救助、救急活動を行ったが、予想を上回る被害に消防活動が困難を極めたこと。多くの生き埋め者全員を消防部隊だけで救出することが不可能であったこと。

 全市にわたって消防隊の数を超える多くの火災が同時に発生し、なおかつ水道が断水し消火栓が使えなかったこと。一方、救急車の搬送能力を超える負傷者が発生し、なおかつ、その収容期間そのものが被災する異常事態であった。)を踏まえ、平成7年に創設された。

 19年前になります。緊急消防援助隊は大規模・特殊災害発止時における人命救助活動等を効果的かつ迅速に実施する消防の援助体制を国として確保したものです。大規模災害時の都道府県域を超えた消防の広域応援枠組が緊急消防援助隊です。

 たとえば、東日本大震災です、2011.3月11日~6月6日までの88日間に及ぶ派遣期間中に延べ10万4千人以上の隊員と2万7千以上の部隊が被災地へ派遣され長期間にわたり消防活動を行いました。派遣された部隊は航空部隊、陸上部隊そして海上部隊です。航空部隊(防災ヘリ)は情報収集・人命救助・空中消火、陸上部隊は消化・救助活動に従事した。

 海上部隊はコンビナート火災の消火活動に従事。地元消防本部とも連携して5,064名もの人員を救助しました。当消防本部でも東日本大震災福島県に出動、福島県消防学校に駐留。3月11日発生から数日置いた3月25日~4月10日⇒17日間派遣救急隊(3人)及び後方支援隊(3人)2隊、4回24名を派遣。延べ県内17消防本部総員306名が出動しております。

 任務、福島第一原子力発電所で起きた放射能漏れ事故対応として、屋内退避区域内にいる医療機関の患者、高齢者福祉施設の入所者等を区域外の医療機関に搬送する必要が生じた場合に、これを担当する。

 出動機会はありませんでしたが、大変貴重な経験をして帰ってまいりました。

 
茨城消防救急無線・共同指令センターの運用開始について

 まず最初に、消防緊急無線は電波法関係審査基準において平成28年5月末日までにデジタル方式に移行することに決定しております。今後予想される南海トラフ地震や首都直下型地震等の大規模災害時に出動し、救命・救助を行う緊急消防援助隊の活動を円滑にするため、現在アナログ方式で運用されている消防緊急無線をデジタル方式に移行させて災害に強い消防通信基盤を構築することが目的。

 茨城県では、県内の消防本部がバラバラにデジタル無線の整備をしたり、現在の指令センターに接続をしたのではいろいろな弊害があるため、茨城消防緊急無線・共同指令センター協議会を設立し、平成28年6月に運用を開始するため、現在準備を進めています。