パストガバナー 清水 清様 2010.11.17

2013年度の新補助金制度と補助金の活用を!
 現在、新補助金制度を導入するための検証活動としてパイロット地区による新制度の問題点を摘出するための活動が行われています。第一ゾーンでは2地区が代表としてパイロット地区に選ばれています。

 新たに導入される補助金制度においても基本的に変わらない条件として補助金活用対象の大半が人道的観点でのロータリー奉仕活動に補助金が使用できることです。

 また、現在活用されている地区補助金でも同じことです。本日はロータリー財団の数多いプログラムの中で特に、補助金に焦点を絞りお話ししたく存じます。

1. 補助金を使用するプロジェクトの準備
(1) 現在、地区補助金使用のプロジェクトは、その年度内で計画・申請し、?施をしていますが、新補助金制度では、計画年度と?施年度の2年間に分けられています。

従って、現年度と次年度の連携が出来なければ補助金を使用してのプロジェクトが成り立たちません。要するに、地区・クラブの中期計画が必要になると理解することです。

(2) 「ほとんどの手続がオンライン処理となります」
現在は、申請書類は郵送またはメール添付で行われていますが、参加資格取得審査その他に要する時間がかかることが問題で短時間で処理できるようにするための措置としてオンライン方式が条件になりました。

資格取得の申請には補助金の資金管理要件の覚え書きに同意する書類を添付することが義務付けられています。資金管理は地区の重要な仕事になり地区の役割が大きくなります。また、財団に申請する書類は全て英文が基本です。この点についても地区・クラブの体制が問われることになるでしょう。

(3) グローバル補助金の申請
申請に先立ち、活動計画と目的を簡潔に説明した提案書を提出する2段プロセスとなっています。また、10万ドル以上のWFを要する場合には財団管理委員会の審査を受けることが義務付けられています。

2. 補助金の種類
(1) 補助金は従来同様、地区活動資金(DDF)と国際活動資金(WF)に分かれて運用されますが、その比率は50%対50%です。新地区補助金は更に新地区補助金とグローバル補助金に分けられます。新地区補助金(日本円で使用可能)はDDFの50%まで使用することが出来ます。申請可能な件数は年に2口までが認められ、国内又はロータリーの無い(ロータリーが存在していても力のない地域も含まれます)海外においても活用できます。

(2) 補助金対象のプロジェクト
人道的プロジェクト、奉仕プロジェクト、奨学金「学位レベルや専攻分野の制約なし、高校生の授業料や教科書・教材の購入にも使用可能ですが高校生の留学には使用できない。大学レベルの学生の留学には6重点分野に関連した学生についてのみ地区のDDFがグローバル補助金として使用可能対象になる。

また、一般留学の場合は新地区補助金が充てられます。但し、学生の面倒をみるスポンサークラブや地区の決定を外国に求めることも自分の地区が責任持って行う必要があります。

奨学生の選定には学生自身希望する大学の入学許可証があることが奨学金支給の条件になるので確認を怠らないこと。」、職業研修チーム(VTT)の派遣支援「従来のGSEを含む派遣先の選定、交渉は自分の地区で責任を持ち決めること、また、派遣者の年齢制限はなくなるが職業従事年数は2年間以上あることが条件GSEは交換する条件は廃止され、受け入れの了解が条件になる。費用は自分持ち、相手地区も同様になる。

派遣は同年度内とすることが認可の条件です。GSEの場合は現在、航空券支給のみであるのに対し詳細予算書を提出することで滞在費や研修費も認可の対象になる。」、災害救援プロジェクト等の比較的小規模プロジェクトが主な対象となります。

また、グローバル補助金は、地区が立案したグローバル補助金とパッケージ・補助金(グラント)の2つからなり、6重点分野に関連した影響力のある持続可能な大きなプロジェクトに使用できます。6重点分野とは、平和と紛争予防・紛争解決、疾病予防と治療、水と衛生設備、母子の健康、基本的教育と識字率向上、経済と地域的社会の発展などで予算規模は3万ドル以上(DDF1万5千ドル+WF1万5千ドル)現行のマッチンググラントと同様な制度です。

(3) 国内での補助金活用上の留意事項
日本国内での地区補助金使用について、人道上の奉仕プロジェクトとしての理解度に徹底を欠く点があります。日本のような先進国では認可対象にならないものに一般的な識字向上に関するものや、鮭の放流、陶芸体験、蛍の育成、一般的な案内板の贈呈、スポーツクラブへのチーム旗や優勝旗寄贈、建物の建設設置、時計台の贈呈などを人道的奉仕プロジェクトとして勘違いされておられる方が目立ちます。

国内での人道的奉仕とは、身障者や高齢者や外国人を対象にした奉仕プロジェクトを取り上げていただきたい。過去に、?施されたプロジェクトで財団本部に提出した報告書の纏めに苦慮した例が多々あります。計画前に地区の補助金委員会にご相談されることを望みます。

カルタ大会などの例は、報告書の作成を在日外国人の日本語理解支援のためとか、また、外国人との交流プロジェクトなどでは外国人に日本の風習習得のためとか書き直していただきました。幼稚園児のタイル製作体験では、身障者にも参加してもらい身障者への職業訓練・習得プロジェクトとして?施いただいたことがあります。

頑なに鮭の放流を毎年計画されているクラブについては、河川の緑化とか河川の浄化運動とかの形で提案するよう変更依頼をしています。地区の纏め者のご苦労にもご理解くださればありがたいと感じております。

3. 地区活動資金(DDF)の運用で留意すること
現在、DDFは年度内に使用されなかった残額は、翌年に繰り越される制度になっていますが、新地区補助金として認可された補助金の残額は翌年に繰り越されるが残りのDDFは世界活動
資金(WF)に編入されてしまいます。

資金の活用管理が従来以上に重要になります。自分で得た資金を全て消化するよう努めることが求められるでしょう。それには、地区もクラブも一体になっての中期・長計画を持つ必要が欠くことに出来ない条件になると考えます。

ロータリーの奉仕活動は、その年度の方針に基づいて運営されておりますが?り多い影響力のある奉仕プロジェクトの発掘と開発には中長期的な地区方針並びにクラブ方針を中長期計画として持つことが肝要であると考えます。今日RIがクラブの中長期計画を推奨することの目的はクラブの強化、育成を図ることと併せてこの点にあるのです。

クラブ会長、会長エレクト及び会長ノミニーが連携してクラブの充?・発展に努めることがこれからのロータリーには必要です。ロータリアンには奉仕活動を通して感動を味わうことを望みます。