国際ロータリー第2820地区 国際奉仕総括委員長 坂寄 恵様 2010.3.3

【識字率向上月間に因んで】
 世界の総人口は2005年64億51105万人といわれ、2025年には78億9798万人になるであろうと予想されています。しかしながら先進国人口は11億から12億の間に推移していく予想です。

 以前は地球上の人口は60億で限界だといわれていたこともありました。今ではもうはるかにその数字を越えてしまいましたが、今後は開発途上国、発展途上国での人口爆発や先進国化、先進国の少子化、地域格差の増大、環境破壊、資源の枯渇、そして貧困を原因とする地域紛争が今後の問題として挙げられます。

 これからの諸問題を解決していくためには識字率の向上が必要です。例えば人口爆発を抑える有効な手段は計画的出産です。そのためには開発途上国の若い女性の識字率が問題となります。

 日本においては読めて書けては当たり前ですがこれは識字率が98%以上あるためです。

 皆さんご存知のタイでは94.6%、フィリピンは93.4%、カンボジア76.3%、そして昨年度蚊帳を送ったブルキナファソはなんと28.7%です。

 そして先般訪れたインドの識字率は66%、女性の識字率は51%と言われています。インドの全女性の識字率ですからスラムにクラス女性の識字率はもっともっと低いはずです。

 全女性の2/3が非識字率という統計もあります。読めて書けて文章を理解してはじめて貧困から脱却、出生率の低下、疾病の予防などが実現していきます。

 今、RIが積極的に推し進め、効果をあげている識字率向上プログラムは、後から来る人々のための道を照らす意味を込めて、ライトハウス・プロジェクトと呼ばれています。

 このプログラムの中心になるのは、リチャード・ウォーカー氏が開発した語学力集中研修口座CLE(Concentrated Language Encounter)であり、グループ単位で簡単なストーリーを喋り、それを書き、だんだん難しいものに発展していく方法です。児童、初心者、上級者向けにその内容を変えながら、話し言葉、書き言葉さらには文法にまで発展していく手法です。

 このCLEは1987年から、ロータリー財団の人道的補助金を受けてタイで行われ、大きな成功を収めたので、その後、世界各国の小学校、非公式教育現場、ストリート・チルドレンを対象としながら、識字率向上プロジェクトの基本的な授業方法として採用されています。

 私たちは今後の識字率の向上がなぜ必要かということをしっかりと踏まえた上で社会奉仕活動、国際奉仕、新世代奉仕を考えていくことが大切だと思います。