外部卓話 米山奨学生 孫 洋さん 「日本での留学生活」

2005.10.26クラブ例会にて
 昨日博士学位論文審査願を出して、ついで12月博士論文発表があるのですが、緊張の気持ちが少しリラックスしました。ふと考えてみると、私は来日してからもう5年目を迎えていました。

 私は1977年に中国東北地方の遼寧省瀋陽市で生まれ、一人娘として育ちました。両親の開放的な教育方針のもとで自由に、自分の目標を追求し、2000年9月一人で日本にやってきました。最初に研究生として直接的に研究室に入って、日本語を勉強しながら新しい研究を始めました。知り合いも少なく、不安も満ちる毎日でした。

 一年後、筑波大学院入学試験に合格し、四年間の博士勉強が始まりました。今年4月から米山奨学生になりました。月14万はある方にとってはどうでもない金額であるかもしれませんが、我々留学生にとってはアルバイトしなくてもよく、研究に専心できるものです。皆様の暖かいご支援があったからこそ無事に一つ一つの夢が実現できました。

 去年10月米山奨学生に推薦されてから一年間が経っていますが、少しずつ米山奨学生の特徴なところを感じました。米山奨学事業は日本のロータリアンが作り育てた国際奉仕プログラムであり、アジアの発展に必要とされている学問的、技術的指導者の養成とともに、平和を求め日本との?架け橋?となる人を支援することを願い、外国人留学生を対象とした奨学制度を設立しました。

 奨学生は単なる経済的な応援をもらうだけではなく、ロータリークラブを通して日本の文化、習慣などに触れ、社会参加と社会貢献の意識を育て、将来ロータリーの理想とする世界平和の創造と維持に貢献する人となることが期待されます。つまり、『学業』はもちろんのこと『異文化理解、コミュニケーション能力』に意欲のある優秀な留学生を支援します。

 我々留学生として、日本では知識を学ぶだけではなく、日本の文化や日本人との交流も身につけなければいけません。ということで、米山奨学生の選考が非常に厳しいと思います。成績がもちろん優秀だし、日本語ができないといけません。そのため、米山奨学生は勉強だけではなく、国際親善大使の責任を担って、とても素晴らしい留学生しかできないのではないかと思っております。

 次に、ロータリー米山奨学金の何にも優る特長は、世話クラブ・カウンセラー制度です。奨学期間中、ロータリーとの交流における基軸となります。そして世話クラブの会員からカウンセラーが選ばれ、アドバイザー的存在として精神面での支援となります。

 我々奨学生は世話クラブの例会に参加したり、奉仕活動を共に体験したりすることによって、ロータリー精神を学びます。異国でのこうした経験は、我々留学生のその後の人生において、非常に大きいな影響を与えてくれると考えております。

 私が米山奨学生になってから半年の間、毎月一回しか例会に参加しませんが、水海道クラブの会員の皆様が毎回私に親切的に接してくれたことに感動しました。最初、皆様はどんな人たちなのか?何を話したほうがいいのかを悩んでいた私は、皆様と一緒に食事をすることでもどきどきしましたが、納涼会に参加させていただいたり、一緒にお酒を飲んだり、喋ったりして、だんだん皆様の前で少しリラックスしてきました。

 水海道クラブでは素晴らしい人たちばかりだなと思っております。ここで、特に私のカウンセラー田上さんに感謝します。田上さんは忙しい仕事の間、ご飯をご馳走したり、コンサートに連れて行ったり、卓話をする前に緊張する私に励ましたりとかいろいろな面倒を見てくださって、本当に私の日本のお父さんみたいだと思います。

 最後に、米山記念奨学会、また水海道ロータリークラブの皆様に心から感謝の気持ちを申し上げます。本当に皆様のお蔭で、私は今まで勉強が続けられました。研究の方に専念できたため、今年論文を四部発表しました上に、来年の3月に博士学位を取ることを現在目指しております。